布団の中でだけ育つ植物

妖精に乳首はねえ

お父さんの仇とか女子高生のスカートとか

少し前の話だが電気が止まってしまった。別に電気代が払えなくてというわけでもなくとにかく無精なので2ヶ月に一度は電気料金を支払わなければならないのを忘れてしまい、さらに無精なので自動振り込みの手続きもしていないので、気を抜くと電気が止まる。大学に入ったばかりの時、先輩が夜急に50円貸してくれ!電気が止まる!と言っていて、こうはなるまいと思っていたけれど今どちらがマシなのか自分には判断がつきません。その先輩に教わったことには支払期限の関係でガスは3ヶ月周期、電気は2ヶ月周期で止められるので、6ヶ月に一度電気もガスも止められる地獄の月がうまれるそうで、何となく戦慄したのでネットでポチポチボタンを押すだけで自動振り込みが完了するガス代だけは自動振り込みのおかげで一度も止まったことがない。ただ、我が家の給湯器はガスと電気両方がなければ動かないようで、まあ当然といえば当然なんだけど、そういうわけで2ヶ月に一度電気が止まるとお湯が出ず、暗闇のなか冷たいシャワーを浴びることになり、死や貧困、行ったこともないインドやタイについて考えることになる。タイの孤児を拾って武術を習わせて、大人になったら実はお前の両親を殺したのは俺だ、お前には俺を殺す資格がある、とか言いたい。


電気が止まったときの対応はもう慣れたもので、さすがに電気が止まると無精だのなんだのいってられないので支払いを済ませて電気会社に連絡する。一度携帯の充電がきれたときに電気が止まったときは苦労した。連絡してもすぐに電気が戻るわけでもなく、大体一晩は電気なしで生活するのだが、暗いので百均で蝋燭を買ってきて灯すとなんだか洒落た雰囲気が出て笑う。電気止められてるくせに。洒落た空気に流されて読書でもするかと思うけど、ページをめくったり呼吸をしたりするごとに炎がちらついて集中できないので大抵すぐやめる。そのあとは大体炎のちらつきを眺めて気がつけば夢のなか、という段取りなのだが、友人に言うと酸欠だのなんだので危ないと言われたので最近は寝る前に吹き消すようにした。人は自分だけで生きているのではなくて、人に生かされているんだと感じる瞬間だ。



人間がいつまでも眺めていられるもの、というものが3つほどあったはずで、波と炎ともうひとつなにかだったと思うのだけどさっぱり思い出せない。思い出せないので風になびく女子高生のスカート辺りだろうとふんで生活をしている。砂時計だったような気がしてきた。