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布団の中でだけ育つ植物

妖精に乳首はねえ

好きなもの

レンタルショップで映画を借りてきて、それが気に入った映画だと、2・3日のうちに何度も繰り返し見る。映画全体を3回くらい見たり、印象に残ったシーンや好きなシーンだけを見たり、好きなシーンを見てるうちに結局また全部を見たり。最近では『ペイン&ゲイン』とか『レジェンド 狂気の美学』とかがそういう感じでした。

 

映画だけではなくて、気に入ったご飯屋さんとか、音楽とか、本とか、人とか、一度気に入ったものができると数日の間そればかりに気が向いてしまって、それから少し経つとプイっと触れなくなってしまう。といっても飽きたわけでも嫌いになったわけでもなくて、ずっと気に入ったままです。

 

それからまたしばらくするともう一度見たり読んだり連絡を取ったりして、やっぱり気に入っているなあとそれに対する好意を再確認したら、ようやくそれが自分の中でしっくりくる。そうして映画や本、音楽、人なんかが、自分の心の中でしっかりと居場所を確保できて、以前からあった好きだったものたちとの近所づきあいもうまくやっていける。

「こんにちは、この度引っ越してきた映画『ペイン&ゲイン』です」

「あらまあわざわざどうも、小説『地下鉄のザジ』です。今後ともよろしく」

 

 


Marian Hill - "Down" (Official Audio)

愛した横顔

彼と連れ立って歩く彼女は美しかった。

青い瞳、赤い唇。

 

世界が灰色に見える。

灰の瞳、灰の唇。

彼女と付き合い始めたとき、世界は薔薇色だった。

彼との思い出。慰め。浮気への怒り。慰め。

そうしてとうとう彼女をものにした。はずだったのに何故。

 

彼は結局浮気相手とも別れた。先週のこと。

興味のないふりをしているが私には彼女の心がはっきりとわかる。

思い出した。

私が愛したのは、彼といる時の彼女の横顔だった。

 

今 私は彼女を愛している。

青い瞳、赤い唇。

人が死んで、すごく悲しかったはずなのに、3か月もすればもう忘れそうになっていて、何かで気を紛らわせたり何かに忙殺されていたりというわけでもなかったのにもう忘れそうになっていて、積まれた洗濯物とか本棚の埃をかぶった絵本とかを眺めていたらもう忘れてしまいそうです。あっという間に忘れるの。死と向き合うみたいなドキュメンタリーが嫌いで、死を美化したりオブラートに包んだり、そういうのは向き合うこととは違うでしょうとか思いますけど、結局私も死のことをさっぱり忘れていたわけで、向き合ってなんかいなかったわけで、困ります。死ぬってなんなんですか。

等価値・ワッショイ・尻

最近の若者は喫茶店や電車の中でもスマートフォンを見てばかり、みんな一様に光る画面を見ている姿は異様だとお爺さんが言って、それもそうだなあと思いそういうお爺さんが喫茶店や電車の中で何をしているのかと見てみると、みなさん一様に少し上の、何にもない空間や天井を、虚空を見つめていたので、ここに宗教戦争があるなと思った。下を向いてスマートフォンを見ている人たちはスマートフォンを使って世界中に飛び立って行って、上を向いて虚空を見つめている人たちはその虚空から未来や過去、空想など自由な己の世界に行けるので、皆それぞれ異様なんだよ。

 

 

 

生牡蠣はおいしいけど、多分その生牡蠣を酒蒸しだとかで上手に調理するともっとおいしいと思うので、要はあのぬらりとした食感という経験と食中毒というスリルを食べているんだなと人が言って、それもそうですねと思った。一度生牡蠣を食べて信じられないほどの腹痛に襲われたけど、それも含めて生牡蠣の魅力だと思います。腹痛の際は上からも下からも不思議な汁が出ますし上下どちらから出てくるのかは直前までわかりませんから、トイレにおいては己と己の肉体との熾烈な心理戦があります。さっき上から出たし、今度は下だろうとか予想しますけど、最終的にはどちらが来ても対応できるようトイレで全裸待機という形式に落ち着きました。諸兄らも参考にされよ。ポカリスエットなどは水分補給によかろうと思ってぐびぐび飲むと上からワッショイした時に喉が大変つらいので大変つらい。それでも生牡蠣は好きだし、絶対に苦手意識は持ちたくなかったので完治して一か月くらいでもう一度生牡蠣を食べました。お腹がウイルスに勝利したので良かった。

 

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ATMでお金と戦っていたら、隣に少年が爆笑しながら突っ込んできたのでつられて僕も笑った。その少年のママは「お尻とか触ったんじゃないでしょうね!」とずっと聞いてくるので、図らずしもしばしばお尻を触る子であることがお母さんによって明らかになってしまった。過ちを隠したり、咎めたりする行為によってその過ちが露呈してしまうことは本当に良くあって、ままならぬ。ママだけに。

 

 

 

 

いわゆる親父ギャグも生牡蠣と同じで、ギャグが面白いから言うのではなく、このどうしようもなくつまらないことを言うことのスリルを味わうものです。さようなら。

【血や内臓の画像があります】マムシとスッポンを食べたやつです

マムシとスッポンを食べたやつです。これまでもサメやらワニやら食べてきましたが、とうとう蛇肉の用意ができ、開催に至りました。人徳のある友人がいたため、どちらも無償でいただくことができ、持つべきものは友であると再確認しました。ありがたや。

 

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マムシさんです。ウオー。生きたままでいただいたため、自分で捌くことになりました。

 

 

 

 

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 マムシさんはみりんのペットボトルの中に保管されていましたが、どうしても出てこようとせず、酒を飲ませれば酔っていい感じになるのではという雑な考えが生まれ料理酒をぶち込みました。顔が赤くなりマジで酔った挙動をしていたのでスゲエとなったのですが、酔ったマムシさんは意味不明な動きを繰り返すばかりで結局容器からなかなか出てこず大変でした。酔わせた意味は特になかった。

 

 

 

 

ソイヤ 

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というように尻尾をつかんで無理やりペットボトルから引きずり出し、根性で頭を切りました。尻尾をつかんだ時に皆に見て見て~つってよそ見してたら普通に噛まれかけてヤバかったです。なんだかんだでメチャ怖くて、頭を切ろうとすると包丁にクソ噛みついて黄色い毒をバシバシ出してきたので、全員腰が引けた。山で捕まえられて2週間ばかり飲まず食わず、また毒抜きはしてあるよとのことだったのですが、バリクソ毒が出て完全にヤバかったです。命ってすごいねという感じです。頭を切っても胴体も頭もメチャ動くのでアイスピックで頭をぶっ刺しました。意味があったのかはわからない。心の保険として軍手があったら良かったですね。素手だとマムシさんが動くたびに心がドキドキしました。諸賢らは革の軍手などを用意すると良いでしょう。

 

 

 

 

 

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頭をぶち落としたあと、皮をソイヤして引っ張ると靴下みたいな感じで皮が剥がれます。やったあ。皮が剥がれると、内臓もいい感じに剥がれました。やったあ。内臓部分の3つ膨らんでる部分にはそれぞれマムシさんの赤ちゃんがいました。マムシさんはカモノハシと同じく卵胎生で、お腹の中で卵から孵化した赤ちゃんを育てるそうです。眼とかしっかりあってとぐろも巻いていたので、ここでも命…となります。ただ内臓は寄生虫が鬼らしいので捨てます。お肉の見た目はお魚のアジとか、そんな感じです。首を切って10分くらいたっても普通にウニョウニョ動いていらっしゃるので、命……

 

 

 

 

 

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ワーイ

 

 

 

 

 生き血は焼酎ならヤバい成分が殺せるから飲めるとの噂を聞きましたが、マムシさんが最後の抵抗か生き血に毒を撒き散らしやがったため、絶対に飲んではいけない液体が生まれました。目玉も飲むと良いとの話だったのですが、いまいち上手く取り出すことができず、目玉の水晶体ばかり摘出してしまい断念しました。

 

 

その後マムシさんは蒲焼きにしたんですけど、テンション上がって一瞬で食い尽くしたので写真はないです。鳥と魚の間みたいな味でした。骨が硬いけど、パリパリに焼けば骨も美味しく食べられます。尻尾はさらに加えて山椒みたいな味がして新たなる体験という感じです。美味しいんですが、ほとんど全員がよくわからない顔をしていたので、体験を食したのだと思いましょう。

 

 

 

 

 

 

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 さてスッポンですけど、すでにあらかた捌いてあったもので、あとは適当に骨をブチ追っていくだけの作業でした。写真を撮り忘れたのでこれはインターネットから適当に拾ってきたスッポンです。まあ写真とだいたい同じような感じで、こいつが上半身と下半身で分離されていた状態でした。内臓は既になく、聞くと解体したおじさんが解体しながら生でひょいひょい食べたそうです。すごいね

 

 

黄色のコロコロした球が卵で、そのほかの黄色の部分は脂肪です。骨がクソ硬く、でかくて強いキッチンハサミがあれば楽だろうなという感じでした。ただ何故か僕が途中から覚醒し、骨の継ぎ目や関節の分断の仕方を急に会得してありえない速さで捌けてウケました。漫画『トリコ』の小松君みたいですね。

 

 

 解体した後やばい臭かったので塩で揉んだり熱湯かけたりしました。臭いを消すときは塩か小麦粉で揉めと教わってきましたので。結果として塩は多分意味なかったです。それと熱湯をかけて失われる旨味はたいした量ではない気がしたので大丈夫です。大丈夫でしょうか。

 

 

 

 

 

 

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醤油とか出汁とか入れた液体にスッポンを突っ込むとヤバい灰汁が出て、必死に取るといい感じに鍋になります。黄金色の出汁というやつですね。こいつは半端じゃなくクッセえですけど、生姜入れとけば何とかなります。スッポンは味としてはサザエみたいな臭いと肉の味がし、混乱があります。卵とか脂肪(黄色い部分)は意味不明な食感がして、好きな人は好きです。僕は…。嫌いな人が噛まずに飲むと美味いと言っていました。最後にバターとか適当にいれた雑炊が面白いほどおいしくて困りました。

 

 

 

 

 

総括ですが、スッポンはクッセえです。調べると締めた瞬間からどんどん臭いが増すらしく、もし高みを目指すのであればスッポンも生きた状態から捌く必要がありそうです。

マムシさんは捌くのはヤバかったですけど、体験でした。ただし可食部が少なく、また硬骨であるため応用が難しい。やはりスープなどにするべきだった気がします。シマヘビは軟骨らしいので機会があれば挑戦したいところです。マムシとスッポンは滋養に良いといいますが、めちゃくちゃぐっすり眠れました。捌くのに使ったエネルギーが大きすぎたのでしょう。

今月末は牛タンと牡蠣と鴨を食べるようです。うれしいですね、さようなら。

いろんなおじさん

気の狂った事象というのは案外街に転がっているもので、街を歩いていたらサッカーの日本代表のユニフォームを着て、首から大量の数珠をぶら下げ白い作業用ヘルメットを被った白髪のおじさんとすれちがい、ワアと気持ちになったところヘルメットのうしろにはマジックペンで日本軍と書いてあった。何でかはわからないけどご苦労様ですと思った。高校生の時学校から帰る電車にはたまにテレビ欄おじさんという狂ったおじさんがいて、扉の前に手ぶらで立ってその日の新聞のテレビ欄を一人で結構大きな声で暗唱するので最初は恐ろしくて仕方なかったけど、ある金曜日、映画版デスノートが9時から放送されることを教えてもらって以来は好意的な目で見るようになった。あれから何年も経ったがテレビ欄おじさんはまだ扉の前でテレビ欄を暗唱しているのだろうか。

 

 

 

 

 

高校生の時は学校から家まで電車で通っていたのだけど、三年間で一度だけ痴漢に遭遇した女性を見たことがある。痴漢というより、なんか狂ったおじさんで、後輩が興奮気味に「ヤバイっす、ポロンチョしてるっす」と言い出したので一体何事かと思って見やると狂ったおじさんが己のイチモツをポロンチョさせてギャルっぽい女子高生のお尻に擦り付けようとしていた。あまりに面白くて吹き出してしまいポロンチョおじさんと目が合うと、おじさんはイチモツをしまうことなく鞄で前方を隠しながら電車を出ていったので絶対横から見えまくってただろアレと思う。その後何やかんやでその女子高生とおしゃべりしていたのだけど、割と痴漢とかはよくあるらしくて、でもポロンチョおじさんは初めてだったと言ってたので女性は大変だなあとかメチャクチャ雑な感想を抱いた。女性は大変だねと言ったら感想が雑すぎると言われた。

暇が書いた遊びと、暇を潰す遊びと、暇を書く遊び

首のないシマリスがひょこひょこと歩いてくるとして、私にはそれが首のないシマリスだとわかるので、首の有無は生き物の定義に関わらないんだねと思い、首の有無は修飾語にすぎません。どこまで欠けると私たちは他の生き物になってしまうのでしょうね。どこまで欠けると修飾する語とされる語は主従を入れ替えてしまうのかしら。首のないシマリス、首と尻尾のないシマリス、首と尻尾と毛のないシマリス…。でも一つだけ間違いのないことは、縞のないシマリス、そんなのシマリスじゃないってこと、シマリスというのはそれぞれの家族が代々守り受け継いできた複雑で高貴な縞を持った、誇り高いリスなの。それに比べて人間という生き物の気持ち悪さったらないわねえ、なんであんなにつるつるしてるのかしら、毛も頭のてっぺんにしか生えていないし、足も体全体もいやに細長いわ。それにわざわざ二本足で歩くんですって。なんのために神様が四本も足をつけてくださったのか、知らないのかしら。ちょっぴりおつむが足りない生き物なのね。それに尻尾もない!私たちみたいに美しくって、ふさふさとした縞模様の尻尾ではないにせよ、普通どんな生き物だって尻尾はあるわよ。それにしても首がなくなって、木の実を拾い集めなくて済むようになって助かったわ、おなかが空くのは胃袋のせいじゃなくって、口のせいだったのね。口があるからお腹が空くのね。

 

 

 


Wintergatan - Marble Machine (music instrument using 2000 marbles)

人間が最近作った、もっとも優れた暇を潰す遊び

 

 

 

 

 

ウーン、早くこの人間性の地獄から抜け出したい。ドアを開けて、閉める。本を開いて、閉じる。栞も挟まずに。立ち上がって、座る。穴を掘って、埋める。何もないことをずっと続けていられるほど狂ってはいないから。かといって動くこともしたくないほどには凝り固まっているから。人を、開いて、その肉と糞便と血とが詰まっただけの袋であることを、確認したくない。いつまでも私を夢見る乙女でいさせて。ただ食べただ飲みただ寝て毎日過ごしていますけど、本当に私は目標無く生きるのが下手なくせに目標を立てるのは億劫で、さっさと他の人に私のための道標を立ててほしい、そうしてくれたら頑張れます頑張りますとも。ああ主体性のない人間、きっとおんなじように考えている人間はきっと百万人はいて、掃いて捨てるほどいて、みんなも大変だねえ一緒に頑張ろうねえ何を頑張ろうねえ困ったねえという具合に何にもない日常を過ごしています。うつぶせでないと寝られない私の顔はやはりどんどん変形していくのかしら。何にもない日常で私の顎だけがどんどん削れていくとしたらそれはそれで結構なことです日常に変化を求めないくせに変化が全くないと文句を言うつまらない人間なので。